「かわいい」と餌やり 外来種のコブハクチョウが苗を…

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大久保泰
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 「都心から一番近い天然湖沼」と言われる、千葉県柏市や我孫子市などにまたがる手賀沼。5月に本格化する田植えの時期に、沼に生息する外来種のコブハクチョウが、植えたばかりの稲の苗を食べる被害が相次いでいる。さらに、周辺へ移動していることも明らかになってきた。生態系への影響を懸念する専門家は対策を訴えている。

 5月末、我孫子市農政課の職員が通勤途中に沼の近くの水田で1羽のコブハクチョウが稲の苗を食べているのを見つけた。すぐに職員3人が現場にかけつけ、ロープなどを張って水田から追い出そうとしたが、隣の水田に移るなどしたため、追い払うのに30分ほどかかった。

 市農政課の斎藤寿義課長補佐は「音を出したり、ネットを張ったりしても効果がない」と話す。稲が硬くなる6月中旬ごろまでは週に2~3回、「出動」が続くという。市は広報や看板で「生態系に悪影響が出るため餌やりはやめてください」と訴えているが、「かわいい」と餌をやる人が絶えないという。

 県農村振興課によると、周辺の市から報告された農業被害は2019年度、柏市で642アール、我孫子市31アールなど、6市合計で706アールに上った。被害総額は約840万円になる。

 我孫子市鳥の博物館によると、コブハクチョウはカモ科の鳥でユーラシア大陸の中緯度地域に広く分布し、成鳥では全長150センチ程度になる。手賀沼で初めて観測されたのは1973年。外来種のため、飼育されたものが逃げ出したか、人為的に放たれたものだという。90年には繁殖も確認された。その後増加し、現在は170羽程度が生息しているとみられる。

 稲を食べたり、踏み倒したりする農業被害のほか、遊歩道を歩いている人がヒナに近づいて攻撃されることもある。湖岸のマコモやヒメガマなどの水辺の植物を根から食べてしまい、野鳥の営巣や魚の産卵する場所が減ることで、生態系への影響が懸念される。

周辺地域への移動も確認

 さらに最近、そのコブハクチ…

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