東京五輪で新競技となるスケートボードの「聖地」を目指すスケートパークが今春誕生した。茨城県笠間市の「ムラサキパークかさま」。コースの監修を日本代表監督が担い、スケボーの本場アメリカが東京五輪の事前合宿地に決めた。地域振興策の切り札にスケボーが選ばれたのはなぜか。
ムラサキパークかさまは県営「笠間芸術の森公園」の一角にある。国内最大級の4600平方メートルのスケート広場に、スケボーの種目「パーク」や「ストリート」の専用ゾーンを構える。自転車競技の「BMX」も楽しめる。屋内施設で雨天時も滑ることができ、夜間照明も完備。インストラクターによる初心者向けの講習会もある。
「世界的なスケボーの聖地として発展する仕掛けをここで進めます」。山口伸樹市長は建設にあたり、こんな構想を掲げた。小中学生向けの大会を皮切りに、将来的には世界大会の誘致につなげたい考えだ。
スケートパークの構想が浮上したのは2014年。スケボーはまだ、東京五輪の新競技ではなかった。
笠間市は伝統工芸品「笠間焼」で知られ、高齢者に人気の観光資源が多くある。一方で若者の集客が課題で、県営公園の空きスペースを活用し、スポーツを使った新たな観光誘致ができないか模索していた。
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