防災拠点兼ねた新駅舎完成 津波時、200人避難可に

直井政夫
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 南海トラフ地震の津波に備えて、防災拠点を兼ねたJR太地駅(和歌山県太地町)の新駅舎が完成し、31日に式典があった。津波が襲ってきたときには約200人が一時避難でき、非常用の食料などを備蓄する。

 老朽化が進んでいた旧駅舎をJRから譲渡された町が昨年から建て替え工事を進めていた。

 鉄骨2階建て、延べ435平方メートル。1階は待合室や地元の商工会の事務室を兼ねた観光案内所がある。2階には約200人が入れる避難スペースのほか、水や食料、毛布などを保管する備蓄倉庫、多機能トイレなどもそなえた。建設費は約4億9500万円。

 外観は、戦前に多くの太地町民が移住した米国・カリフォルニア州「ターミナルアイランド」の駅をイメージした。西洋風のしゃれた窓のある外壁で、1階入り口にはイルカの絵のステンドグラスをあしらった。

 新駅舎は南海トラフ地震の津波浸水域にある。2階の避難スペースは標高約12メートルにあり、想定する浸水の高さを超える。また、避難スペースから、ほぼ同じ高さのホームへ逃げる通路も新設された。

 完成式には町民ら約100人が出席。三軒一高町長は「町民に非常に喜ばれる駅舎ができ、うれしい。周辺の道路などを整備して観光面でも充実させたい」と述べた。駅近くに住む女性(85)は「これまで津波の時に逃げる場所がなかったので、安心できる」と話した。(直井政夫)