ゴール裏、太鼓鳴らす10歳 「コロナで声出せないが」

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 サッカーJ1のアビスパ福岡が浦和レッズと対戦した1日、本拠地・ベスト電器スタジアム(福岡市博多区)の福岡側ゴール裏スタンドに、太鼓を鳴らして応援をリードする少年がいた。

 福岡市の小学5年生、谷脇嘉斗(よかと)君(10)。新型コロナウイルス流行下での応援ルールを破った大人に代わって、先導役の一人になった。

 嘉斗君の名前には、「何があっても『よかと』と思って元気に育ってほしい」という思いが込められているという。父良也(よしや)さん(46)は、クラブがJFLだった1995年からのサポーターで、嘉斗君は生後1カ月のころから、スタジアムに連れられて来ていた。ここ2、3年はホームの試合はほぼスタジアムで観戦しているという筋金入りのサポーターだ。

 3月に敵地であったサガン鳥栖戦で、あるサポーター団体の一部がコロナ対策のガイドラインに違反して大声を出す応援を繰り返した。クラブはこのサポーターを今季入場禁止の処分にし、所属団体は年内の活動を自粛。ゴール裏の先導役を担っていたグループが一つ、いなくなった。

 そこで、嘉斗君が「太鼓をやりたい」と買って出た。「声が出せないのは寂しいけど、代わりに太鼓の音でアビスパが点を取るために応援したい。ルールを守りながら、できる応援をしていきたい」

 太鼓の音と手拍子で後押しされた選手は、浦和に2―0で勝利。J1で21年ぶりの3連勝となった。試合後、嘉斗君はゴール裏で選手とともに「博多手一本」で勝利を祝った。