全町民避難から10年 震災後、双葉町内で初の成人式

長屋護
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 東京電力福島第一原発の事故により全ての町民の避難が続く福島県双葉町成人式が1日、同町産業交流センターで行われた。東日本大震災後、町内での開催は初めて。震災10年の節目に実現したふるさとでの開催に、新成人らは喜びをかみしめていた。

 震災後、成人式郡山市いわき市で開き、今年は1月3日にいわき市で予定したが、新型コロナウイルスの影響で延期に。新成人らで運営する実行委員会の意見も踏まえ、地元開催が実現した。

 新成人の対象は62人で、式には県内外から19人が出席した。伊沢史朗町長は式辞で「式を双葉でできることは復興への道を着実に歩んでいる証左。町を再生・持続させるため、積極的にまちづくりに参加することを期待します」と述べた。

 新成人は「はたちの夢・希望」と題し、意気込みを語った。大学3年の細沢勇生さん(20)=福島市=は「地域について学んだり、調査したりして、それを地域に還元する人になりたい」、会社員坂本千乃さん(20)=いわき市=は「ホテルで働いているが、留学も視野に入れている」などと語った。

 式終了後、実行委員長を務めた大学3年の石井美有さん(20)=東京都=は「コロナで中止とならず、この日を迎えられて良かった。将来は双葉町に戻り、高校の恩師の言葉でもある『人財』、人の財産となるような人になりたい」などと抱負を語った。(長屋護)