水俣病65年の祈り 公式確認の日に患者団体が慰霊祭

奥正光
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 水俣病が公式確認されてから1日で65年がたった。犠牲者をまつる熊本県水俣市の「乙女塚」では、患者団体の水俣病互助会による慰霊祭が営まれ、患者や遺族らが犠牲となった命に祈りを捧げた。

 乙女塚には水銀汚染で失われたすべての命がまつられている。今年で41回目になる慰霊祭には約40人が参列。水俣病互助会会長の上村好男さん(86)は、胎児性患者の長女智子さん(1977年に21歳で死去)に触れ、「生きていたら65歳。今も夢によく見ます」と話した。

 この日は例年、水俣湾埋め立て地で環境相や原因企業チッソの社長らが出席する犠牲者慰霊式も営まれるが、コロナ禍で昨年に続き中止となった。

 水俣病は、チッソ水俣工場が不知火(しらぬい)海に流した廃水に含まれたメチル水銀が原因の公害病。1956(昭和31)年5月1日、水俣保健所に患者の多発が届けられ、公式確認された。認定患者2283人のうち、9割近い1988人(4月末現在)が亡くなった。患者が高齢化し症状の悪化も進んでいる。今も約1400人が熊本、鹿児島両県に患者認定を求め、国の被害者救済策の対象から漏れるなどした約1700人による損害賠償や認定を求める訴訟も続いている。(奥正光)