第3回ローン不正、業者の処分ゼロ 不正利用者には厳しい試練

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藤田知也
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 長期固定金利の住宅ローン「フラット35」を、投資用マンションなどの購入に不正利用する事例が後を絶たない。ただ、2019年に多数の不正が発覚して以降、行政処分を受けた不動産業者はゼロ。多くの不正を主導しながら、おとがめなしで不正を続ける業者がいる一方、そそのかされて高額物件を買わされた人には厳しい試練が待ち受ける。

 不正利用が多発していると朝日新聞が19年5月に報じた後、フラット35を提供する住宅金融支援機構は、同年中に162件の不正を特定した。融資に関わった業者は11社。ローンの利子補給には国の補助金が使われているため、機構は不動産業者を監督する国土交通省などとも情報共有。刑事責任の追及も検討するとしていた。

 「事実確認を行い、宅地建物取引業法にもとづき適切に対処していく」。石井啓一国土交通相(当時)は19年9月3日の記者会見で、そう述べていた。

 だが、不動産業者の処分を公表する国交省のサイトには、その後も融資の利用目的を偽るなどの理由で処分された業者の情報は掲載されていない。刑事事件に発展した例も明るみにはなっていない。

 機構は取材に「行政処分や刑事責任の追及は、関係機関の調査等に協力しているが、詳細は調査等に影響を及ぼす恐れがあり言えない」と回答。国交省不動産業課も、関連した処分は出ていないと認めた上で「現時点でのコメントは控える」としている。

 朝日新聞が今回、新たに確認した20年以降の不正事例の中には、19年に機構が特定した不正に関与した男性が、養子縁組で姓を変えた後に、別の法人で不正に関わるケースがあった。また、以前に別の住宅ローン不正に関与していた業者が、売り主となっている事例もあった。

 介在した業者への責任追及が進まない一方で、契約上はローンの借り主となる顧客の方は、「不正利用者」として窮地に立たされる。

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