片付けない子、どうすれば…プロが気付いた「関わり方」

竹田和博
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 子どもが片づけてくれない――。そんな悩める親たちを助ける「親子の片づけのプロ」が金沢市にいる。田中由美子さん(46)。ある時はオンラインで、またある時は自宅に出向いて、子どもとの関わり方を踏まえた片づけの工夫をアドバイスする。

 「おもちゃは使用頻度で1~3軍に分け、よく使うものを使いやすいところに置いてあげる」

 「幼稚園と家で片づけの仕組みが違うと混乱する子もいる。同じにすることで『家でもできるよね』って声かけができる」

 3月下旬に行ったオンライン相談。相談者の女性が撮った自宅の写真を見ながら具体的なアドバイスを重ねた。自身の子育て経験もざっくばらんに交え、コテコテの関西弁で気さくにやりとりを交わす。

 大阪市で生まれ、大学卒業後は東京と横浜で団体職員として働いた。引っ越しや出張が多く、「いかに効率的に収納するかを考えるのが好きだった」。

 2008年、結婚を機に夫の地元の石川に移った。すぐに長男(12)と次男(10)が生まれ、てんてこ舞いの生活が続いた。5年ほど前、子育てが少し落ち着いたのを機に「好きなことを仕事にしたい」と、一気に整理収納アドバイザー1級を取得。自宅での片づけセミナーや出張サポートを始めた。

 自宅でも、子どもたちがランドセルや制服をしまえるよう専用棚を作るなど工夫した。だが、「全然やってくれず、叱ってばっかりだった」。

 そんな時、たまたま一般社団法人「親・子の片づけ教育研究所」が認定する「親・子の片づけインストラクター」の資格を知った。17年冬、2級の講座を受けに行くと、講師にこう言われた。

 「求めるレベルが高すぎるかな。子どもたちのところに降りてあげて」

 子どもの目線をまったく考えていなかったことに気づかされた。

 「どうしたら片づけられる?」。子どもたちに聞くと、それぞれ望むポイントがまったく違うことが分かった。例えば長男は、ランドセルは掛けずに「置くだけがいい」。棚の置き場所を自分で決めさせると床に放り出すことがなくなった。

 「片づけなさいって言っても、苦手な子は動けない。やりやすい方法は本人に聞かないと分からない。そこに気付き、子どもとの関わり方が変わった」

 同じ悩みを持つ子育て世代の力になりたいと、1年足らずで当時、北陸にはいなかった「親・子の片づけマスターインストラクター」の資格を取った。

 「収納方法などのテクニックに興味を持たれがちだけど、関わり方が伴わないとうまくいかない」。一人ひとりに合わせる、できて当たり前という大人の物差しを捨てる、できた時には素直にほめる。こうした前向きな関わりを重ねることで習慣化され、要る、要らないを選ぶ力や、先を見通す力を培うことができると話す。

 片づけは毎日のこと。楽に、楽しくなることで日々が豊かになる。自らの経験から、そう実感する。親子の片づけ、通称「ファミ片」をもっと広めたいと思っている。問い合わせは田中さん(info@kataduke-plus.netメールする)へ。(竹田和博)