福建省から台湾に密航か ゴムボートで「自由求めた」

台北=石田耕一郎
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 中国福建省から先月末にゴムボートで台湾に密航したとみられる中国人の男が、台湾当局に逮捕されていたことがわかった。男は調べに対し、「自由を求めてやってきた」と供述したといい、当局が中台間の往来などを定めた法律違反の疑いで調べている。台湾メディアが3日、一斉に報じた。

 台湾の海巡署(海上保安庁)によると、拘束されたのは自称四川省出身、30代で無職の男。4月30日朝に福建省石獅市を船で出発し、台湾海峡を渡って同日夜に台湾中西部・台中市の港に到着したと供述している。当局は燃料を積んだエンジン付きの小型ゴムボートを押収し、詳しい動機や渡航経路を調べている。

 台湾メディアによると、男は港に到着後、堤防上にいるのを住民にみつかり、当局に逮捕された。身分証を携帯しておらず、100中国元(約1700円)を所持していたという。現在は新型コロナウイルス感染防止のため、2週間の隔離措置を受けている。

 石獅市と台中港とは直線で約200キロ。台湾の気象局(気象庁)によると、台湾海峡は30日、波も風も大きくなかったという。

 台湾の邱国正国防部長(国防相)は3日、台湾メディアの取材に「(上陸するまで発見できなかった監視態勢に)問題があった」と認め、改善に努めると話した。海巡署の統計では、過去5年間に毎年5~8人の中国人が台湾に密航したことが確認されている。(台北=石田耕一郎)