後発DiDiフードの勝算 ウーバー、出前館にない工夫

諏訪和仁
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 京都府内に新たな飲食宅配サービスが参入した。スマホで飲食店の料理を頼める「DiDi Food(ディディフード)」が、4月下旬から京都市や宇治市などで始まっている。先行するサービスは複数あるが、新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要の高まりで、新たな利用者の開拓をねらう。

 ディディフードは、中国のタクシー配車アプリ大手、滴滴出行(ディディチューシン)のグループ会社のDiDiフードジャパン(東京都)が運営。昨年6月に大阪で飲食宅配サービスを始め、京都は福岡、広島などに次いで5カ所目となる。牛丼やハンバーガー、カレーなどの大手チェーンのメニューのほか、和食など地元飲食店の料理の宅配を依頼できる。

 府内で同様のサービスを始めたのは、ウーバーイーツが2018年7月、出前館が20年2月、フードパンダが今年2月。ディディフードは後発だ。それでも、マーケティングマネジャーの山下妙さんは「まだサービスが浸透していない。競合とも切磋琢磨(せっさたくま)して、さらに成長するポテンシャルがある」と話す。

 同社が今年2月、京都市の20~40代を対象に調査したところ、飲食宅配サービスを使ったことがあるのは38%だった。一方で、「使ったことがない」が49%、「知らない」が13%だった。新たに利用者をつかめる余地がまだ大きいと判断したという。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響による需要の増加も後押しする。外食がしづらくなり、飲食宅配サービスの利用者は急増。飲食店も、宅配での売り上げを確保しようと試行錯誤している。

 同様の宅配サービスを展開する出前館によると、20年9月~21年2月の売上高は、その前年同期の2・7倍の104億円になった。同社の広報担当者は「京都での注文数、料理を注文できる加盟店数は、飛躍的に伸びている」と話す。

 後発ゆえの工夫もこらした。ディディフードは、配達員の確保に力を入れている。京都市中心部では、飲食店が目立たなかったり、奥まっていたりする。配達員が、料理を受け取る飲食店を見つけやすいように、店の外観写真をスマホに送るようにした。他社にはないシステムだという。事故時の治療や入院への補償も手厚くした。

 府内には、再び緊急事態宣言が出た。井上貴之・営業本部長は「多くのオーダーが来るのは間違いない。宅配で飲食店に貢献したい」と話している。(諏訪和仁)