和歌山県で4月、中高年が集うカラオケ店で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生が相次いだ。自身も感染して入院していた男性店主が朝日新聞の電話取材に応じた。記者が店内に入ることもできた。店主は「できる対策は取っていた」と語るが、どんな対策が必要だったのか。店内の写真を元に専門家に考えてもらった。(西岡矩毅)
訪ねたカラオケ店は、和歌山市内の住宅街にあった。店主に許可を得て合鍵で店内に入ると、ホールの中は思ったより広々としていた。照明はテーブルごとに照らすようになっていて、客席は薄暗い。食べ物などの臭いはせず、床もべたついていない。清潔感があった。奥には約30センチの高さのステージが設けられていて、5台のソファがステージを向いて並んでいる。「聞く人は私語を慎み、歌い終わると拍手で応える」。店主は電話で楽しみ方を教えてくれた。
このカラオケ店で4月上旬、店主夫婦に加え、異なる時間に来店した客5人の計7人が新型コロナに感染していたことがわかった。和歌山県はクラスター発生と認定した。店主は「昨春から感染対策はしていた。店内を見てもらえばわかる」と訴えた。
ステージには、歌い手の飛沫…

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