家族だんらんへの憧れ 絵に投影 桜井市で光田千代展

渡辺七海
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 奈良県桜井市金屋の喜多美術館の別館で「光田(みつだ)千代展」が開かれている。作品には、原爆投下後の広島で育った画家の思いが投影されている。7月4日まで。

 県在住の光田千代さん(73)の半抽象的な油絵の作品を中心に約20点を展示。小磯良平大賞展の入選作「シンホニー」は、中央に大日如来をすえた曼荼羅(まんだら)をモチーフに、両親や兄弟が集まっている様子をイメージした油彩画だ。

 光田さんは1947年に広島市で生まれた。2年前に投下された原爆で両親が住む家は焼け野原に。両親は家を離れていて無事だったが、光田さんたち4人兄妹が幼い頃は、生活再建のため働きづめだった。戦後の混乱の中で持てなかった家族だんらんへのあこがれが、多くの絵に投影されているという。「シンホニー」も両親への感謝とだんらんを表しているという。

 ほかにイタリアのベネチアをイメージした「異国」や、奈良公園の桜を描いた作品などを展示している。

 同館(0744・45・2849)の入館料で観覧できる。大人800円、高大生700円、小中学生200円。開館時間は午前10時~午後5時。月・木曜日休館(祝日は翌日休館)。(渡辺七海)