中日の根尾、プロ初HRは満塁弾 日本人71年ぶり快挙

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山田佳毅
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 (4日、プロ野球=中日8―4DeNA)

 ひとしきり手荒い祝福を受けた後、自分の打球が飛び込んだ右中間席を、中日の8番打者・根尾昂は見上げた。次打者の大野雄大が打席に入っても、まだスタンドはどよめいている。ちょっと放心した根尾の表情はすぐに厳しくなった。

 この切り替えの潔さが、最大の武器だ。

 三回1死満塁。前の打席は3球三振。だが、根尾は言う。「僕は切り替えることしか考えない」

 2ボールとなり、直球系の球に絞った。DeNAの大貫晋一の苦し紛れのツーシーム、時速142キロにバットの軌跡が重なった。プロ初本塁打が満塁弾となったのは、リーグで32人目。球団では1970年のバビー以来51年ぶり、球団の日本選手では、2リーグに分立した71年前の杉下茂以来となる快挙だった。

 今季も挫折から始まった。昨オフ「遊撃手一本」を宣言したものの、京田陽太の壁は高い。実戦が始まる頃には外野に回された。1軍での出場機会を増やすチーム方針もある。将来への期待感もある。だが、それだけではない。

 「思い切りがずっと良かった」と与田剛監督。

 打線が不振にあえいだ4月半ば。阪神から移籍してきた福留孝介が「みんなの打撃が小さくなってしまっている」と指摘した。「自分がやってきたことを信じてやるしかない」。プロ23年目のベテランはそう叱咤(しった)した。

 そんな時でも思い切りよく振っていたのが根尾だ。試合前はベンチで、相手の打撃練習を見つめる。「これ、いいんじゃないかな、と考えながら(自分のスタイルに)加味していく。考えながらやってきたことが今につながっている」

 栗原健太打撃コーチの助言を…

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