コロナ薬候補、アビガンの今 「承認めざす」発言1年

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市野塊、編集委員・辻外記子
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 新型コロナウイルス治療薬の候補として、注目を集めた抗インフルエンザ薬「アビガン」について、安倍晋三・前首相が「今月中の承認をめざしたい」と異例の発言をして1年が経つ。承認申請はされたが継続審議となり、新たな臨床試験(治験)が始まった。この間に何がわかったのか。今後どうなるのか。

 アビガンは2014年、従来の薬が効かない新型インフルエンザ向けに承認された。細胞に入ったウイルスの増殖を抑える薬だ。新型コロナウイルス感染症の流行を受け、製造元の富士フイルム富山化学が20年3月に新型コロナ向けの治験を始めた。

 有効性を示すデータがまだ出ていない昨年5月4日、安倍氏は会見で、「一般の企業治験とは違う形の承認の道もあり、おそらくそうなるとも言われている」などと述べ、月内の承認をめざすとした。この直後に厚生労働省は、「治験データは後でも可」と早期承認が可能となる特例を設けた。

 だが患者が減り参加者が集まらず、治験と別の特定臨床研究では、統計的な有効性は示せなかった。

 同社は9月23日、治験の結果を発表。特例は使われず、10月16日に厚労省に製造販売の承認申請をした。

 12月21日、厚労省専門部会での審議は荒れた。審査を担う医薬品医療機器総合機構(PMDA)側は新型コロナへの有効性について、「現時点で明確に判断することは困難」としながら、流行が広がる緊急的な状況に備えるため、「使用可能な状況にすることも検討は可能」などと説明した。

 朝日新聞が入手した議事録によると、委員からは厳しい意見が相次いだ。

 「ちゃんとしたエビデンス(…

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