官能は人の闇 舞台装置がそろった古都と相性がいい

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聞き手・河合真美江、写真・小杉豊和
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 京都に暮らし、この街を舞台に官能小説を書き続ける花房観音さん。仏像が好きで歴史に詳しく、京都女子大に通うころから修学旅行をメインにバスガイドをしてきた。その経験を生かして編み出す性愛の世界。古都のにおいが立ち上るなか、人の欲望のひだをくすぐる。

 ――官能と京都は相性がいい?

 「京都は恋人たちの旅にふさわしい。そんなイメージをつくったのは作家の山村美紗だと思います。恋愛、不倫がらみの殺人事件でミステリアスな色づけをした。もともと京都には舞台装置がそろっているんです。お寺、花、それに闇がちゃんとある。ほら、おばけが出そうでしょ。官能は人の闇です。だから相性がいい」

 ――京都の闇ですか。

 「死や魔が街に当たり前にある。溶けこんでいるんです。(神獣に見立てた山や湖川などが東西南北を守る)平安京は青龍、白虎、朱雀、玄武で囲みをつくって魔が入ってこないようにしたけれど、私には魔を閉じこめているように思えます。魑魅(ちみ)魍魎(もうりょう)、妖怪、幽霊の話があちこちにあります。都だから人が集って権力争いがあって、人殺しがあって、色恋沙汰もあった。人間のドロドロしたものです。たとえではない闇もありますよ。京都御苑が一番の闇だと思う。夜歩くと、だだっぴろくて不気味。空を見上げても広い。アイデアを練るのによく歩きました」

 ――小説を書くのに、バスガイドの経験はどう生かされていますか。

和歌や文学作品に発想を得た花房さんらしい官能小説の世界。これから書いていきたい「性愛」も聞きました。

 「京都を案内するのに源氏物…

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