デザイナーの氏名ブランドがピンチ 相次ぐ商標登録不可

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編集委員・後藤洋平
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 デザイナーの氏名を冠したブランド名が商標登録できない――。近年、特許庁知的財産高等裁判所のそうした厳しい判断が相次ぐ。タケオキクチなど、ファッション界では氏名を看板にするブランドが多数あるが、新しい登録が難しくなっている。当時から法律の条文は変わっていないのに、現在はなぜ認められないのだろうか。

 関係者らがきっかけの一つとみるのが、2019年の知財高裁の判決だ。ロックバンド「エアロスミス」のボーカリスト、スティーブン・タイラーらも着用するジュエリーブランド「KENKIKUCHI(ケンキクチ)」が、文字列を含んだロゴマークの登録を特許庁に18年に拒絶され裁判に持ち込んだが、結果は変わらなかった。

「他人」全員の承諾必要?

 根拠は商標法4条1項8号が「他人の氏名」を含む商標を、同姓同名の他人の承諾なしに登録できないと定めているからだ。「自分の名前を無断で商標として登録されない」という人格的利益の保護が趣旨だという。そのため、たとえデザイナー自身の氏名でも、同姓同名の他人が存在する限り、その他人の承諾が必要だと判断されているのだ。

 判決文などでは、特許庁が「同姓同名の他人」が実在するかどうかを調べる手法の一つに、電話帳「ハローページ」を参照していることが分かる。また、この場合はローマ字表記のため「菊地健」「菊池健」など、著名無名を問わず同じ発音とみられる人々全員からの承諾が必要だというのだ。

 また、少なくともその数年前…

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