ソフトバンクが楽天モバイル提訴 元社員情報持ち出しで
携帯電話大手ソフトバンクは6日、元社員と転職先の楽天モバイルに、10億円の損害賠償や基地局の使用停止などを求める訴えを東京地裁に起こしたと発表した。高速通信規格「5G」技術に関する秘密情報を元社員が不正に持ち出し、利用したなどと主張している。この問題では元社員が1月に不正競争防止法違反の疑いで逮捕され、2月に起訴された。
技術職だった40代の元社員は2019年12月31日付でソフトバンクを退職し、20年1月1日付で楽天モバイルに転職していた。
ソフトバンクの発表では、元社員が持ち出した秘密情報によって楽天モバイルの基地局建設が前倒しされ、不当に利益を得たなどと主張している。全体の損害賠償請求権は約1千億円あり、今回はその一部の10億円を請求し、今後増やす可能性があるとしている。
持ち出した情報を使って建設された基地局の使用停止や、元社員が持ち出した電子ファイルの廃棄なども求めている。
楽天モバイルは6日、「社内調査を実施してきたが、営業秘密を業務に利用していた事実は確認されていない。裁判において当社の正当性を主張していく」とのコメントを出した。
携帯電話業界は、20年4月に楽天モバイルが参入し、競争が激しくなっている。通信エリアの拡大が課題だった楽天モバイルは、基地局建設の計画を前倒しして、今夏までに人口カバー率を96%にする目標を掲げている。(杉山歩)
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