ミャンマー民主派、「防衛隊」を設立 国軍に対抗

ミャンマーはいま

バンコク=福山亜希
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 クーデターで国軍が権力を握ったミャンマーで、国軍に対抗するため民主派勢力が樹立した「統一政府」が5日、独自の部隊「国民防衛隊」を設立したと発表した。国軍の弾圧から市民を守るための組織だとしているが、国軍が武力行使を強めるための口実とされる懸念もある。

 拘束されたアウンサンスーチー氏の支持派が立ち上げた統一政府は、SNSを通じて出した声明で「(国軍側の)武力行使を防ぐ責任がある」とした。

 また、統一政府には国軍と内戦を続けてきた少数民族武装組織に協力を呼びかけ、連携して「連邦軍」を創設する構想がある。声明は「70年以上に及ぶ内戦を終結させる」とし、国民防衛隊を「連邦軍の前段階」と位置づけた。部隊の詳細は明らかにしていない。

 SNSには「結成を支持する」「部隊に参加する方法を知りたい」といった歓迎の声が上がるが、一方で懸念する声もある。最大都市ヤンゴン在住の女性医師(35)は「若者を武力闘争に追いやる行為だ。クーデターに反対するのと同様に、武力闘争にも嫌な思いを抱いている」と朝日新聞の現地助手に話した。

 現地の人権団体「政治犯支援協会」によると、2月1日のクーデター以降、5月5日までに殺害された市民は769人に上る。国軍による弾圧を国際社会が止められないなか、200を超えるNGOが5日、国連安全保障理事会に対し、ミャンマーに対する武器禁輸などの決議をするよう求める共同声明を出した。

 共同声明では「武器禁輸は安保理が取るべき必要最低限の措置だ」とし、ただちに行動に移るべきだと主張。参加したNGOの一つ、ヒューマン・ライツ・ウォッチは「武器禁輸の議論すらしないのは、ミャンマーの人たちへの責任を放棄している」とする個別の声明も出した。(バンコク=福山亜希)