全46駅舎シャーペンで表現 水郡線応援画家

田中基之
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 福島県石川町に住む「水郡線応援画家」の佐々木麻里さん(28)がJR水郡線の全46駅舎をシャープペンシルで描いた。同線は一昨年10月の台風19号で一部が不通になっていたが、3月27日に全線で再開。復活を記念し、各駅を緻密(ちみつ)な描写で表現した絵の展示会が小野町の東方文化堂で開かれている。

 水郡線は郡山市の安積永盛駅と茨城県水戸駅を結び、上菅谷駅から常陸太田駅間の支線を含めて45駅ある。佐々木さんは自宅近くの磐城石川駅(石川町)から水郡線に乗って高校や、マンガを学んだ専門学校(いずれも郡山市)に通い、親しんできた。

 2014年2月の大雪の時、乗っていた列車が谷田川駅で約6時間立ち往生した。乗務員の懸命な対応を見て、描くことで水郡線を応援したいという気持ちが芽生えたという。

 当初はマンガで水郡線を描いて雑誌などに投稿していたが、思うように評価されなかった。シャープペンシルで描くようにすると、細かい部分が思ったように表現できるようになった。駅の職員らに励まされながら2年4カ月ほどかけて、水郡線の列車が乗り入れる郡山駅を含めて全46駅の駅舎を描いた。

 すべての駅で下車して、どの角度から駅舎を描いたらいいかを探った。矢祭町にある東館駅では、1930年に建てられた古い駅舎を繊細に表現し、台風19号で被害にあった川東駅(須賀川市)は被災前と、新しく建て替えられた駅舎の両方を描いた。

 描くだけでなく、駅周辺を歩いて店に入り、駅にまつわる情報も集めた。磐城塙駅は「板庭うどんという太いうどんある」、磐城棚倉駅は「国鉄時代の駅前は、いろんなお店がありにぎやかだった」、矢祭山駅は「売店の鮎(あゆ)の塩焼き、焼きだんご美味」など絵を見た人が行ってみたくなるエピソードを添えた。

 また、全線開通した水郡線のラッピング電車で、先頭車両のヘッドマークと側面のデザインも担当した。

 佐々木さんは「水郡線は子どもの絵を列車内に飾るなど、地域の人たちを大切にしています。作品を通して水郡線がいろんな方に浸透していってほしい」と話している。

 東方文化堂での展示「JR水郡線全駅舎展―郡山駅~水戸駅 常陸太田支線」は午前10時~午後6時で、入場は無料。火曜日と毎月7、15、27日が休み。5月31日までが郡山駅~常陸大子駅、6月2~7月31日は袋田駅~水戸駅と常陸太田支線の駅が展示されている。今月7日からは水郡線が走る風景20点を描いた展示会が、常陸大子駅(茨城県大子町)の待合室で始まる。(田中基之)