備前焼×アイドル 3分で完売の湯飲みに手応え

中村建太
[PR]

 備前焼ファンの裾野を広げようと岡山県内の職人らが、人気のゲームキャラクターをイメージした備前焼の湯飲みをつくった。2月に売り出したところ、わずか3分で完売。企画した備前商工会議所は反響に手応えを得て、若い世代へのアピールにさらに力を入れる。

 ゲームはバンダイナムコエンターテインメントが開発した「アイドルマスター シンデレラガールズ」。プロデューサー役となってアイドルを育てる携帯端末専用のゲームで、アニメ化されるほどの人気だ。

 トップアイドルを目指す「藤原肇(はじめ)」(16、女性)は岡山出身で、祖父が陶芸家。この設定から、備前焼の里・備前市伊部がファンの「聖地」となり、「巡礼」する人が近年増えているという。

 伊部で備前焼のギャラリーなどを営む藤田恵さん(33)、木村敦子さん(39)はこの動きに注目。2年ほど前からファンとの伊部の町歩きイベントを重ねてきた。この流れをさらに広げようと商議所が昨秋、バンダイナムコエンターテインメントにコラボを持ちかけ湯飲み製作が決まった。

 出来上がったのが「藤原肇×備前焼 竹湯呑」(口径約6センチ、高さ約9センチ)。肇の「竹のように強くまっすぐ育つ」というセリフを元に、竹筒の形を採用。底には「肇」の文字を刻んだ。櫛目(くしめ)と呼ばれる線状の模様で葉を表現するなど、細部のデザインにもこだわったという。

 2月半ばに1個1万9800円でインターネットで売り出すと、用意した品が約3分で完売。3月半ばの追加販売でも、2時間ほどで売り切れた。品数はいずれも公表されていない。

 藤田さんは反響の大きさに驚きつつ、「地元民として肇ちゃんを推したかった。たくさんの人が手に取ってくれてうれしい」。木村さんも「伊部に来る人がもっと増えるのでは」と期待する。

 商議所によると、備前焼の愛好家は60代~70代が中心。湯飲みはSNSでも話題となり、若い世代へのアピールになったという。商議所では、備前焼をさらに手軽に日常使いしてほしいと、オリジナルポーチの販売などにも手を広げている。(中村建太)