台湾にボートで密航の中国人 沿岸警備探ってると臆測も

台北=石田耕一郎
[PR]

 中国福建省に近接する台湾の離島・金門島にゴムボートで密航したとして、台湾当局が4日、中国人の男を出入国管理法違反などの容疑で逮捕していたことがわかった。台湾の海巡署(海上保安庁)が6日に発表した。台湾メディアによると、男は「自由を求めてやってきた」と供述しているという。

 台湾では先月30日にも中西部・台中市で、中国からゴムボートで密航してきたと主張する自称四川省出身の男が逮捕されている。

 台湾の海巡署の発表によると、4日早朝、島の海岸に近づいて来る不審なゴムボートをレーダーで確認。同署職員が乗っていた男を拘束し、ボートを押収した。台湾の気象局(気象庁)によると、現場付近の海上は当時、風も波も大きくなかった。

 海巡署の説明では、男は中国の身分証のほか、携帯電話や金融機関のカードを持っていた。ボートには櫂(かい)が2本積まれていたほか、豚肉のギョーザがあったという。同署は朝日新聞の取材に、「容疑者の名前や動機は確認中だ」とした。

 台湾では、過去5年間に毎年5~8人の中国人による密航が確認されている。ただ、米中対立を受けて中国による台湾への軍事圧力が強まるなか、中国が密航者を名乗るスパイを海上から送り込み、台湾の沿岸警備態勢を調べているのではないかとの見方もある。

 金門島は中国福建省の沖合にあり、中国大陸からは最短で8キロほど、中国が統治する島からは4キロほどの距離にある。(台北=石田耕一郎)