公正でなく、非人間的で犯罪的 #コロナを生きる言葉集

新型コロナウイルス

サンパウロ=岡田玄
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公正でなく、非人間的で犯罪的(ブラジル出身のミゲル・ニコレリス米デューク大教授)

#コロナを生きる言葉集

 世界的に著名な脳神経学者で医師のミゲル・ニコレリス米デューク大教授(60)は、母国ブラジルの爆発的な感染状況を「制御を失った原子炉」にたとえる。原子炉内の連鎖反応を説明する数式と、新型コロナの症例数や死者数の指数関数的な増加を説明する数式が似ているからだ。

 原子炉では、制御棒で核分裂をコントロールする。新型コロナでは、制御棒にあたるものが「徹底的なロックダウン」だと主張する。実際、英国やイスラエル、チリなどでは、ワクチン接種と同時にロックダウンも行われてきた。

 しかし、ブラジルのボルソナーロ大統領は「経済を壊す」としてロックダウンなどの外出規制に反対し続けている。「ウイルスで死ななくても、仕事がなくて飢え死にする」というのが、大統領の言い分だ。

 ニコレリスさんは「ウイルスに感染して死ぬか、飢えて死ぬか」という選択肢は「公正でなく、非人間的で犯罪的だ」と断言する。必要なのは、どちらで死ぬこともないようにすることだ。だから、ロックダウンとともに、市民への緊急資金援助も必要だと訴える。それが、厳しい対策を訴える科学者の責任だとも言う。

 だが、ニコレリスさんたち科学者の訴えは、政治家にはなかなか届かない。都合のよい部分だけが利用され、不都合なことは無視される。「21世紀の地球規模の課題に科学が答えを出そうとしている分野がある。だが、この対話はブラジルではむずかしい」と嘆く。

 これはブラジルだけの話だと言えるだろうか。(サンパウロ=岡田玄)

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 誰もが経験したことのない日々が続いています。様々な立場、場面の言葉を集めます。明日に向かうための「#コロナを生きる言葉集」。

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