普天間の現行計画、3つの誤り 米准教授が語る解決の道

聞き手=大島隆
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 普天間返還合意から25年が経ったいまも、日米両政府は現行計画を推進する立場です。合意当時の橋本龍太郎首相やモンデール駐日米大使と意見交換をしたジョージ・ワシントン大のマイク・モチヅキ准教授は、その姿勢は間違っていると言います。その理由を聞きました。

 日米両政府は現行計画を推進しようとしていますが、私は間違っていると思います。いくつかの理由があります。

 一つは、埋め立て予定地の軟弱地盤など、辺野古の代替施設固有の問題です。二つ目は、25年前とは大きく異なる、戦略的な環境の変化です。日本に駐留する米軍、特に沖縄に駐留する在日米軍は、中国のミサイル攻撃に対して非常に脆弱(ぜいじゃく)です。

 三つ目は日米同盟です。日米の安全保障上の関係はさらに緊密になっています。沖縄の米軍を日本のほかの地域に分散させ、沖縄の負担を引き受けることは可能になっています。私は、今こそ辺野古の計画を再考する最善のタイミングと考えています。

 結局のところ、見直しの声が上がらないのは日米の最高位の政治指導者が、この問題に対処する勇気を持たないから起きているのです。私は常々、この問題は日米同盟におけるアキレス腱(けん)だと言っています。私は最終的な責任の所在は「沖縄の負担を減らすために協力しましょう」と米国に提起しない、日本政府にあると思います。また、日本の人々にも責任があると思います。もし安全保障が大切であると考えるのであれば、負担をより公平に分担し、軍事的な合理性のある案を考え出すべきでしょう。現行案の軍事的な合理性は疑わしいものです。

 現行計画の全面的な見直しには様々な組織的な抵抗があることは承知しています。私が提唱しているのはある種の妥協策です。キャンプ・シュワブエリアに比較的大型のヘリポートを建設し、海兵隊のヘリコプターや一部のオスプレイの拠点とするのです。ほかのオスプレイは九州など日本のほかの地域に移転させます。残る海兵隊の固定翼機は嘉手納基地に移転するのです。

 そして、もし米軍が、大規模有事の際の航空施設へのアクセスが必要と考えるのであれば、普天間飛行場の返還を一時的に停止するというのが私の案です。私は普天間返還を強く支持しており、これはあくまでも暫定的な措置です。普天間周辺でのオペレーションをほぼゼロにまで劇的に減らします。そして、普天間に代わって有事の際に米軍が使える施設が本土のどこかに割り当てられるまでの間、有事の場合は普天間を使えるようにしておくのです。(聞き手=大島隆

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 Mike Mochizuki 1950年生まれ。専門は日本政治や外交政策、日米関係、東アジア安全保障。著書に「沖縄ソリューション」(共著)など。米軍基地問題を検討する沖縄県の諮問会議「万国津梁会議」の委員。