都会から被災地に移住続々 コロナ禍で倍増、地元の秘策

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東野真和
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 東日本大震災の被災地が人口減に悩む中、2016年4月の熊本地震で甚大な被害を受けた熊本県南阿蘇村は、官民で移住を受け入れ、成果をあげている。コロナ禍で都会から離れたい人や、働く世代の移住者をターゲットにしている。

 「いらっしゃいませ」

 南阿蘇村の老舗の温泉宿として知られる「青風荘」に、實島(さねしま)賢さん(33)の声が響いた。2月末から勤め、浴場の掃除から客の送迎まで忙しく働く。

 神戸市出身で、サーカス団の営業担当として全国を回っていたが、コロナ禍で公演がなくなった。転職して定住しようと思い立ち、「都会より田舎に」と考えた。同居する女性が熊本出身だった縁で、かつて訪れたことのある南阿蘇村に住もうと決めた。

 南阿蘇村は、田園風景が広がる。實島さんが村庁舎の隣の「南GO!!Station(なんごうステーション)(みなみあそ村移住定住支援センター)」を訪ねると、スタッフは實島さんのアパートがある地区の区長に引き合わせてくれた。

 實島さんは小学生の頃に阪神大震災を、興行で滞在していた福島県いわき市東日本大震災を体験した。「丁寧に応対してもらいありがたい。全国を巡った知見をいかし、村のパズルのピースの一つとして復興に貢献したい」と話す。

土地や家をマッチング

 南阿蘇村は17年度に「次世代定住課」(現・定住促進課)を新設した。同課が運営する「南GO」では地域おこし協力隊員ら3人と地元の定住支援員十数人が、移住希望者と家や土地の所有者との間でマッチングを担い、移住後も相談に乗る。

 村がここまで手厚い態勢を取…

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