「ここにいるよ」性的少数者の言葉、冊子に 石川の団体

竹田和博
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ぼくのからだは

おんな

ぼくのこころは

おとこが8 おんなが2

「おとこなん?おんななん?」ときかれたら、なかよくなるために、がんばってこたえる

でもおなじことばでも

ばかにした言い方で言われたら

こころがズキズキする

ばかにした言い方はやめてほしいな

     ◇

 幼いころから自らの性別に違和感を感じていたという小学2年生がつづった詩だ。北陸にも、LGBTQに代表される性的少数者は身近なところにいる。それを多くの人に知ってほしい。そして、人知れず悩む人たちに「一人じゃない」と伝えたい。そんな思いを込めた冊子づくりを、石川県内の当事者と支援者が進めている。

 冊子「ここにいるよ~北陸からあなたに届けたい にじいろの手紙~」には、冒頭の詩を含め、同県白山市周辺の当事者と家族らで作る「ひだまりの会」のメンバーが寄せた12編の詩が並んでいる。トランスジェンダー(性別違和のある人)や同性愛者、両性愛者。セクシュアリティーも年代も様々だ。

 「北陸では、まだまだLGBTQの人が身近にいると思われていない。カミングアウトには勇気がいる。でも、いないことにされるのはつらい。冊子を通して、『ここにもいる』と伝えたい」。冊子づくりを取りまとめる同市の助産師、植田幸代さん(59)は当事者の思いを代弁する。

 20年以上にわたり、同市内の小中学校で性教育を続けている。次第に子どもや保護者からLGBTQに関する相談を受けるようになり、2018年に助産師仲間と支援グループ「にじ♡はぐ石川」を立ち上げた。

 昨年9月、行政の依頼で当事者らのメッセージを募ったところ、思いの詰まった言葉が集まり、当事者たちから冊子に残したいという声が出た。

 子どもたちにも伝わるようにと、会のメンバーが知恵と経験を出し合った漫画2作も収めた。

 描いたのはメンバーの一人、和希さん(28)。女性の体に生まれ、いまは周りの理解を得て男性として暮らす。秘めてきた胸の内を親友に明かした際、平然と反応してくれたことに救われたという。そんな自身の経験を「オレの一歩」と題した作品に描いた。「一人じゃない、わかってくれる人がどこかに必ずいることを伝えたかった。それが僕らみたいな人間には一番心強い」。理解の輪が広がるにはまだ時間が必要かもしれない。でも、「せめて、性のあり方が多様だということをわかってほしい」。

 植田さんも「自分がほかの人と違うと気づいた時に、周りに意識がないと傷つきかねない」と話す。冊子が性的少数者に思いを向けるきっかけになれば、そして、当事者が自分のセクシュアリティーを誰かに伝えるときに手渡す一冊になれば、と願っている。

 6月下旬の完成を目指し、クラウドファンディングhttps://camp-fire.jp/projects/view/397032別ウインドウで開きます)で制作費と学校などに配るための資金を募っている。(竹田和博)

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男女格差が153カ国中121位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ]