エジプトとトルコ、和解へ前進 アラブの春から10年

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高野裕介、カイロ=北川学
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 中東の地域大国エジプトとトルコに、関係改善の兆しが見え始めている。両国の外交団が5月5、6の両日、エジプトで会談。10年前に起きた中東の民主化運動アラブの春」をきっかけにした混乱から深く対立してきた両者だけに、和解への動きに注目が集まる。

 トルコはオナル副外相をはじめとする外交団をエジプトの首都カイロに送り、今後の関係について協議した。会談後、両国の外務省は、「会談は率直で綿密なものだった。二国間関係のほか、リビアやシリアなどについて協議した」との声明を発表した。

エジプト大統領は「暴君」

 両国関係が決定的に悪化したのは、2013年に起きたエジプトの政変だ。

 アラブの春の後、エジプトでは初めての民主選挙でムルシ氏が大統領に就任。イスラム主義組織・ムスリム同胞団が主導する政権を、当時首相だったトルコのエルドアン大統領は支持した。

 ところが、ムルシ氏の政権運営をめぐって世論が二分すると、軍が介入してムルシ氏は失脚。軍を主導していたのは当時国防相だったシーシ大統領だった。エルドアン氏は「クーデター」だとして猛反発し、両国は大使を退去させた。

 その後もエルドアン氏はシーシ氏を「暴君」と呼んで批判の手を緩めず、「テロ組織」としてエジプトを追われた同胞団員らをトルコに受け入れてきた。

 また、リビアの内戦では双方が敵対する勢力を支援。昨年、トルコが派兵すると、エジプトが「安全保障上の脅威が強まった」と反発して緊張が高まった。

一致した思惑、課題も

 今回、歩み寄りを見せたのはトルコだった。

 エルドアン氏が3月、「(関…

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