感染拡大止まらず 福岡も「緊急事態」 適用

新型コロナウイルス

山田佳奈、藤山圭 藤原慎一、佐々木亮
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 3回目となる福岡県への緊急事態宣言の適用が7日、決まった。この日、新たに472人の感染者が判明し、1日あたりの感染者数が過去最多を更新した。県は飲食店への時短営業要請などの独自対策を講じてきたが、感染拡大には歯止めがかからず、県の要請を待たずに国が決定した。服部誠太郎知事は、11、12日に予定していた聖火リレーを中止すると発表した。

 服部知事は午後7時からの会見で「国が広域的な感染防止をはかるということで判断し、それを尊重して受け入れざるを得ないと考えた。緊急事態の措置を徹底し、一日も早く脱却できるようにがんばっていきましょう」と呼びかけた。

 県内の新型コロナウイルス感染者は、4月14日以降、連日100人以上を確認するなど感染拡大が止まらない状況が続いている。

 県は4月下旬、飲食店などへの午後9時までの営業時間短縮要請を福岡、久留米両市に相次いで出した。しかし、同28日にこの時点で過去最多となる439人の感染を確認。その後も3日連続で300人台だった。県は5月1日、「まん延防止等重点措置」の適用を国に要請した。服部知事は同日の会見で「(時短営業などの)効果が十分に表れてきていると言いがたい」と語った。

 さらに県は3日、国が重点措置の適用を判断するまでに一定の期間がかかるとして、時短要請の対象を広げると発表。6日から県下全域に広げるとともに、人が集まる映画館や劇場、商業施設なども対象に含めた。福岡、久留米両市への時短要請を午後8時までに繰り上げることも決めた。

 ただ、大型連休中も200~400人台の新規感染を確認。6日までの1週間の人口10万人あたりの新規感染者は42・9人、確保病床の使用率は64・1%に達し、政府の分科会が示す4区分のうち、最も深刻な「ステージ4(感染爆発)」の基準を上回った。

 前回の緊急事態宣言での確保病床は610床で、5月7日には1007床まで増やし、全体の使用率は前回より余裕がある。ただ、重症病床使用率は前回より高い。最近の新規感染者のうち77%を変異ウイルス(変異株)が占めており、重症化しやすいとされる変異株の影響がうかがえる。

 4月末の緊急記者会見で緊急事態宣言を出すべきだと訴えていた松田峻一良・県医師会長は、今回の宣言適用を適切な判断だと評価。若い世代の感染者に自覚症状がないまま悪化している例が多いと指摘し、「一日も早くワクチンを接種したいと思っている。今は自分の行動や感染対策を見直す機会にして下さい」とのコメントを出した。(山田佳奈、藤山圭)

     ◇

 緊急事態宣言の適用を受け、福岡市の高島宗一郎市長は7日の記者会見で、新たな対策や支援を発表した。県からの休業要請に協力した飲食店などに対し、50万円を上限に家賃の8割を支援。売り上げが30~50%未満の減少で、国や県の支援対象とならない事業者に支援金を支給する。また医療従事者向けとして、新型コロナの入院患者を受け入れた医療機関には、患者1人あたり30万円を支給する。

 医療・介護施設職員への月1回程度のスクリーニング検査の実施、感染が発生した店や施設以外にも地域の関係者を検査するなど、検査態勢を強化する。

 また、福岡市営地下鉄は12日から終電時間を1時間繰り上げる。市立学校では合唱や調理実習は実施せず、部活動は校内の活動に限定する。

 福岡市では7日の感染者が過去最多の249人に上った。高島市長は「ワクチン接種を前倒しで進めていきたい」と話した。

 北九州市の北橋健治市長は7日夜に開いた対策会議で、「(緊急事態宣言は)やむを得ない。これ以上の感染拡大を食い止めるため、全県一致団結して、全力を尽くしたい」と話した。市民には改めて不要不急の外出を控えるように呼びかけた。市の公共施設は、大規模な大会や興行の予約が既に入っている場合をのぞき、原則閉館する。一方、学校については感染症対策を徹底した上で可能な限り継続するとした。(藤原慎一、佐々木亮)

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 聖火リレーは6日夕に県が大幅な縮小を発表した直後、緊急事態宣言の対象となることが決まり、各自治体は対応に追われた。

 飯塚市は6日夜、いち早く聖火リレーの中止を発表した。片峯誠市長は「聖火リレーの実施に十分な感染防止対策をとることが困難と判断した」という。

 県内で人口10万人あたりの感染者数が最も多くなっている久留米市も6日夜、大久保勉市長が「久留米市の10万人当たりの感染者数が東京都の4倍、大阪府の2倍という最悪な状況を考えればやむを得ない」とのメッセージを出した。

 太宰府市楠田大蔵市長は7日、臨時の記者会見で「極めて残念。楽しみにされてきた方々が何らかの形で参加できるよう、県に要請していきたい」と話した。太宰府天満宮周辺での実施を予定していたが、3日に公道では難しいと県に伝えていた。大宰府政庁跡を代替案として示したが、大会組織委が認めなかったという。

 6日夕時点では実施する方針だった北九州市。数時間後には一転し、朝から対応に追われた担当者は「これまで準備してきたものができないのは残念だ」。

 ある自治体の担当者は大型連休中も毎日、聖火リレーの打ち合わせで出勤したという。「県が(公道での中止を)発表した直後に、政府から大波が超えてきた。もうずっと振り回されています」とぼやいた。

 糸島市は7日、「一生に1度の聖火リレー。楽しみにされていた多くの市民の皆さんには大変申し訳ない思いでいっぱいです」と、市HPで中止を伝えた。

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