「あんた、年とらんなあ」 亡き次男想う森に新緑の季節

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村上英樹
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 日を浴び、光る緑のなかで紅に色づくノムラモミジが映える。佐賀県唐津市の作礼山(887メートル)の中腹にある「環境芸術の森」が新緑のシーズンを迎えた。

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環境芸術の森の山荘「風遊山荘」2階の広間から見える新緑。漆塗りのテーブルに新緑が映り込む。「インスタ映え」すると評判で、北九州市から訪れた男性(56)は「秋の紅葉も見に来たい」と話した=2021年5月2日、佐賀県唐津市厳木、長沢幹城撮影

 造園業を営んだ鶴田正明さん(85)が竹林を伐採し、この地にモミジやイチョウ、ケヤキなど約1万本を植え、約10ヘクタールの広葉樹の森に育った。

 きっかけは次男の死だった。高校球児だった次男を原因不明の病で1980年暮れに失った。まもなくこの山に入り、植樹を始めた。突然の別れに無常を感じ、食べ物と環境について考えた。人に必要なのはきれいな空気、それを作り出すのは森だと。そんな話を訪れる客に話した。

 いま施設で療養中の正明さんの思いを継ぎ、森は三男の健二さん(55)が管理する。造園会社を2年前に辞め、毎朝、草を抜き、落ち葉をひろう。

 最近、気づいたことがある…

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