排出多い輸入品にペナルティー 脱炭素へ主要国で検討

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吉田貴司 ロンドン=和気真也 ワシントン=青山直篤
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 温室効果ガスの削減に向け、「炭素国境調整措置」と呼ばれる仕組みの導入が日米欧で検討されている。環境規制が不十分な国からの輸入品関税のような形で価格を上乗せすることが想定されている。だが、新たな貿易摩擦の火だねにもなりかねず、課題は多い。

 この措置は、二酸化炭素(CO₂)の排出に値段をつけて負担を課すことで排出量の削減を促す「カーボンプライシング」と呼ばれる取り組みの一つだ。具体的には、生産や流通の過程でCO₂を多く出す輸入品に対し、「国境炭素税」などとして価格を上乗せしたり、輸入業者に排出権の購入を求めたりすることなどが検討されている。排出量などの規制が厳しい国の企業が不利にならないようにする一方、規制が緩い国に負荷をかけて温暖化対策を促す狙いもある。

 日本では、温室効果ガスの排出を2050年に「実質ゼロ」にするという政府目標の達成に向け、経済産業省環境省が2月にそれぞれ議論に着手した。4月22日の経産省の会合では、具体化に向け、世界貿易機関(WTO)のルールとどう組み合わせるかを調べることや、それぞれの輸入品の炭素排出量を計算する国際ルールづくりを主導する方針などが固まった。

 ただ、導入された場合に影響…

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