「性虐待、信じてくれますか」ありのまま伝える番組放送

小原智恵
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 性虐待、信じてくれますか――。そんな副題のドキュメンタリー番組「がらくた」が10日未明、主に日本テレビ系列局で放送される。昨年の日本民間放送連盟賞テレビ部門グランプリに輝いた作品で、中京テレビ名古屋市)が制作した。記憶に苦しめられる被害女性のありのままの姿を映し出し、「信じてくれますか」と視聴者に問いかけてくる番組だ。

拡大する写真・図版「がらくた」のタイトル画面=中京テレビ提供

 中京テレビ記者の森葉月さん(32)が一昨年のフラワーデモで、父からの性暴力被害の記憶に長年苦しむ女性に出会うところから取材は始まる。女性は顔を出さないつもりだったが、森さんが取材を進めると女性からLINEが届いた。

 「モザイクかけちゃうと、〈被害者A〉さんになってしまうんかなぁって感じてて、なんか、いつまでも被害者は嫌だなぁと思ってきたの」

 それから女性は顔を出し「なみさん」として映し出される。フラッシュバックに襲われたときや、傷つけられた記憶を「上書き」する行為のときも、今でも苦しめられ回復しようとする女性の姿に森さんは向き合い、撮影を進めた。

拡大する写真・図版中京テレビ記者の森葉月さん=名古屋市中村区

 女性の13人に1人が性暴力被害に遭い、その多くが声をあげられない現状があるという。そうしたなか手がけたドキュメンタリー番組が受賞したことに、森さんは「つらいことを言葉につむいでくれた彼女たちの勇気と覚悟に対して、今後目を向けなければいけない課題として社会が捉えてくれた」と話す。

 森さん自身も「一生目を背けることなく続けていかなければならない課題」として、様々な視点から訴え続けていきたいという。

 放送は中京テレビなどで10日午前1時25分から(テレビ大分、テレビ宮崎、沖縄テレビは放送時間が異なる)。詳細は民放連のサイト(https://j-ba.or.jp/category/awards/jba104954別ウインドウで開きます)で。(小原智恵)