浅草の三社祭、神輿の巡行を中止 町内で割れた受け止め

新型コロナウイルス

柏木友紀
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 緊急事態宣言の延長を受け浅草神社(東京都台東区)は8日、三社祭で予定していた神輿(みこし)の巡行を中止することを決めた。新型コロナウイルス感染拡大に配慮して、今年は16日に宮神輿1基のみを担がずに台車に載せて町内を巡行する予定だった。15日に予定する例大祭式典や、びんざさら舞の奉納などは行う。

 三社祭は約700年の歴史があり、例年5月第3金曜日から3日間開催、約180万人の人出でにぎわう祭りだ。初日にはお囃子(はやし)や木やり、芸妓(げいぎ)連らによる「大行列」などがあり、中日には式典や奉納舞を実施、最終日は宮神輿3基や氏子四十四ケ町内の神輿約100基が街へ繰り出す。

「担がずに1基のみ」予定していたが

 今年はコロナ禍に配慮し規模を縮小、最終日の16日は密を避けて神輿は担がず、一之宮神輿1基のみを台車に載せて四十四ケ町内を巡行する予定だったが、緊急事態宣言の延長で実施が危ぶまれていた。神社は「今回の宣言延長を受け、中止はやむを得ないと判断した」。7日の神社奉賛会の総代会で中止の方向をまとめ、8日に役員や各町内へ通知した。

 同じく緊急事態宣言中だった昨年は祭り自体を10月に延期し、一之宮神輿1基をトラックに積んで町内を回った。この頃から街の受け止め方が分かれ始めた。「神事なのに時期をずらし、コロナ禍にトラックに載せてまで神輿を出す意味はあるのか」などの意見も寄せられていた。

 今回も「祭りで少しでも雰囲気が明るくなればいい」(飲食店)と願う声の一方で、「百貨店の休業要請やイベントの自粛が続く今、祭りはいいのか。お囃子や神輿が出れば人が集まってしまう」(町内会)と不安視する声もあった。

 緊急事態宣言による休業要請を受け、仲見世をはじめ、シャッターを下ろしている店舗は多い。物販店店主は「修学旅行はもちろん、海外からの観光客がほぼいないことが何より厳しい」。商売が厳しい中、祭りの寄付金まで回らないという台所事情も背景にある。町内会長の1人は「この状況下なら式典のみは当然。今はお神輿を出す状況じゃない。負担を求められても困る」と話した。(柏木友紀)

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