海中オーロラ? 硫黄島沖の不思議な自然現象を撮影

ライター・知覧哲郎
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 【鹿児島】噴煙などではありません。海の中です――。三島村の硫黄島周辺海域の不思議な自然現象をとらえた写真が、村営「フェリーみしま」に展示されている。海面に向かうダイバーを、朱色と黄色の海がもわもわと包み込んでいる。

 千葉県浦安市の水中写真家、越智隆治さん(55)が昨年11月、島南側約100メートル沖の水深25メートル付近で撮影した。

 三島村の海域には「鬼界カルデラ」が広がり、硫黄島はその北西側の外輪にあたる。島の周囲は、湧き出す温泉に含まれる鉄分と海水が反応して海が赤茶色に染まることで知られる。撮影時は「潮の流れで(濁りが)拡散されず、濁りの密度が濃かった」(越智さん)ことが幻想的な1枚につながった。濁りの下方には目の覚めるような青い海が広がっていたという。

 越智さんはフリーのフォトグラファー・ライター。主に海外で自然環境をテーマにした取材活動を続け、イルカやクジラなどを題材にした著作も多い。「マグマか溶岩のようで、こんな風景は見たことがない。世界中のダイバーを呼び込める海だ」と話した。

 写真パネルは「水中オーロラ」と名付けられ、村に寄贈された。縦80センチ、横110センチの大きさで、フェリーの階段部分に掲げられた。「みなさんがどう思って見ていただけるか、気になります」と越智さん。「この海に行ってみたいと思う人が増えればうれしいですね」

 村は、越智さんに説明文も書いてもらい、写真パネルに添える予定。村のホームページにも情報を載せ、日本ジオパークに認定されている「三島村・鬼界カルデラジオパーク」の新しい魅力として発信する。(ライター・知覧哲郎)