米最大のパイプライン、操業停止 ランサムウェア攻撃で
米国で最大の石油パイプラインを運営するコロニアルパイプラインは8日、ランサムウェア(身代金ウイルス)によるサイバー攻撃を受けたと発表した。7日にすべてのパイプラインの操業を停止したという。石油製品は備蓄があるためすぐに不足に陥ることはないとみられるが、停止が長引けば生活や産業に影響が出る可能性がある。
ランサムウェアは、データを暗号化して閲覧できないようにしたり、パソコンをロックして使えないようにしたりするウイルスで、感染するとデータの復元や情報流出を防ぐためとして金銭を要求される。昨年、ゲーム大手のカプコンが攻撃を受けるなど日本も含めて企業の被害が相次いでいる。
コロニアルによると、7日にサイバー攻撃を受けたことに気づき、被害防止のため一部のシステムをオフラインにした。この影響ですべてのパイプラインの操業が停止した。現在はセキュリティー会社と原因を調査しているほか、操業復旧に取り組んでいるという。
コロニアルは、メキシコ湾岸のテキサス州から北東部のニューヨーク湾まで5500マイル(約8800キロ)以上のパイプラインを運営している。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、東海岸で消費される燃料のうちコロニアルのシェアは45%という。
ただ、石油製品は備蓄があり、パイプラインの操業が停止してもすぐに不足することはないとみられる。停止が長引けば影響が出る可能性がある。(ニューヨーク=真海喬生)
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