モスクワで戦勝記念パレード プーチン氏が団結訴え

モスクワ=石橋亮介
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 モスクワの赤の広場で9日、第2次世界大戦でソ連がナチスドイツに勝利したことを祝う戦勝記念の軍事パレードが行われた。プーチン大統領は演説で、「ソ連国民の偉大な功績で、ヨーロッパを救った」と主張。歴史認識を巡ってロシアと対立する東欧諸国を念頭に、「歴史の改ざんや(戦争)犯罪者を正当化する試みがある」と述べ、国民の団結を訴えた。

 プーチン政権は、政権支持率につながる愛国心の高揚に力を入れており、ソ連の功績や歴史評価に疑問を挟む内外の動きに神経をとがらせている。だが、ソ連がナチスドイツと密約を結んで侵攻したポーランドや、ソ連に併合されたバルト三国などはロシアの歴史観に強く反発しており、欧米とロシアの対立の一因にもなっている。

 プーチン氏は演説で、「過激派や国際テロリストに限らず、ナチズムのイデオロギーを再び利用しようとする動きがある」と危機を訴え、「ロシアは自国の国益と国民の安全を強固に守る」と強調した。

 パレードには旧ソ連諸国の首脳らが招かれることが多く、過去の節目の年には欧米や中国などの首脳も招待している。だが、今年は新型コロナウイルスの感染が収まっておらず、「節目の年ではない」(ペスコフ大統領府報道官)ことから各国に招待状を出さず、外国首脳は首脳会談でモスクワを訪問していたタジキスタンのラフモン大統領だけだった。

 タス通信によると、パレードにはロシア軍兵士ら1万2千人以上が参加。最新の軍事車両や第2次大戦当時のT34戦車が登場し、戦闘機や爆撃機が編隊飛行を披露した。(モスクワ=石橋亮介)