下北沢「開かずのライブハウス」、3度目宣言は「地獄」

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定塚遼
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 「開かずのライブハウス」――。気がつけばそんな異名がついていた。

 ミュージシャンや演劇人が数多く集まる東京・下北沢。その南口商店街の中心地に2020年の春、「LIVEHAUS(リヴハウス)」というひときわ目を引く緑色の看板が出現した。

 下北沢にある人気ライブハウスの元店長だったスガナミユウさんらが「外国人と20歳未満の入場料無料」など、常識を覆すような画期的なシステムを掲げ、オープンを目指していたライブハウスだ。クラウドファンディングで約1300万円の支援が集まり、開店日も4月9日に決まっていた。

開店できず、毎月赤字350万円

 しかし、開店準備をしていたさなかに、日本でも新型コロナウイルスの感染者数が増え、暗雲が立ちこめた。2月半ばに大阪のライブハウスで集団感染が起きたことで、ライブハウス全体へのバッシングが強くなる。入念に準備してきた90本のイベントが全てなくなり、開店を延期することになった。店を開けることもできぬまま、家賃や人件費といった固定費などで、毎月約350万円が飛んでいった。

 開かずのライブハウスがある――。ライブハウスやインディーズシーンでこのことが話題になると、支援のため、元ピチカート・ファイヴ小西康陽、サニーデイ・サービスの曽我部恵一ら人気ミュージシャンもイベントに参加するなど支援の輪が広がり、8月に正式オープンにこぎつけた。

 4カ月遅れでようやく開店したものの、新型コロナ対策のため100万円以上を投じる必要が出た。業界のガイドラインに従う形で入場制限をかけており、観客は定員の半数以下。傷口は広がるばかりだった。

 わらにもすがる思いで、頼ったのが政府による補助金制度だ。

■もらえなかった補助金「省庁…

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