キャビア、お手頃に?チョウザメの性判別に「時短」新案

村山恵二
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 世界三大珍味の一つ、キャビアもお手頃価格になるかも? 茨城県水産試験場内水面支場(行方市)増養殖部主任の丹羽晋太郎さん(38)は、通常「3~4年かかる」と言われているチョウザメの性判別で、体表の粘液を採取して遺伝子情報を調べ、0歳魚でも2時間弱で判別できる方法を考案。3月末にオンラインで開かれた日本水産学会春季大会で発表した。

 キャビアはチョウザメの卵を塩漬けにしたもの。採卵まで約10年を要し、それ以前に肉眼で見て性を判別できるようになるまで約3~4年かかる。その間は卵を産まない雄を育てるえさ代などが必要で、高値の要因になっている。

 従来は、3~4歳魚のチョウザメのおなかを開いて性別を判別していた。だが、その傷が原因で死んでしまうリスクもあった。丹羽さんが考案した技術は魚体を傷つけない。

 新技術の試験には、同試験場でも約8割を占める「ベステル種」のチョウザメを使った。0~5歳魚を60匹以上使い、体表の粘液を採取し、遺伝子情報を活用したPCR法で性判別したところ、100%性別が的中したという。

 さらに、従来の方法で性が判別されている4~5歳魚各6匹の体表粘液も採取して確認したところ、12匹全てで判別できた。

 体表の粘液で、生後数カ月の稚魚から判別ができる可能性がある。だがPCR検査には費用がかかる。丹羽さんは「例えば性に関するたんぱく質などを標的にして、妊娠検査キットのように、簡易な仕組みで判別できる方法を開発したい」と話している。(村山恵二)