3日間の祝日休戦は「演出」、アフガンの戦い終わらぬ訳

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バンコク=乗京真知
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 アフガニスタンの反政府勢力タリバーンが9日、3日間の休戦を宣言した。今週始まるラマダン(断食月)明けの祝日に限った措置で、恒久的な停戦が決まったわけではない。長引く戦いで市民の犠牲が増えるなか、世論の反発をかわす一時しのぎの「演出」の側面が強い。停戦をのむよりも戦いを続けた方が、タリバーンにとって得るものが多いからだ。

 タリバーンは9日付の声明で、「3日間は(アフガン政府軍や駐留米軍などの)敵に対する全ての攻撃を止める」と発表し、傘下の戦闘員に対して「敵の攻撃には自衛策を取るように」「我々の支配地域に敵を入れてはならない」と指示した。

あくまでも「一時」休戦

 祝日に合わせた一時休戦は2018年に始まったもので、今回が4回目。タリバーンは祝日に合わせて一時休戦を発表し、お祝いムードを演出することで、戦争疲れが色濃い国民に配慮する姿勢をみせてきた。

 特に今回は、対立するアフガン政府よりも先に一時休戦を表明することで、タリバーンが和平に前向きであるかのような印象をもたらした。世論を意識し、将来の統治をにらんだ布石とも言える行動だ。

 アフガン政府は、タリバーンの一時休戦の申し出を断るわけにもいかず、受け入れる方針を10日に発表した。国の和平政策を取りまとめるアブドラ国家和解高等評議会議長は、10日付の声明で「一時休戦は人々に短い平和をもたらすが、根本的な解決策にはならない」と主張。「和平交渉を加速させ、恒久的な停戦に合意して戦いを終わらせることが、危機打開の道だ」と強調した。

 ただ、タリバーンは恒久的な停戦に後ろ向きだ。8日夕には首都カブール西部にある女子校近くで爆発があり、地元メディアによると、下校中の女子生徒ら少なくとも63人が死亡した。

 また、9日夜には南部ザブール州、10日朝には首都北方のパルワン州で、それぞれバスを狙った爆発があり、乗客ら計13人が死亡。3件とも犯行声明は出ていないが、政府はタリバーンの関与を疑っている。

 過去3回の一時休戦がそうであったように、3日間が過ぎれば、タリバーンは直ちに攻撃を再開させる可能性が高い。

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