「財界総理」異例の途中交代 退任意向は4月13日

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専門記者・木村裕明 藤田知也
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 「財界総理」の中西宏明氏(75)が、健康上の理由から任期を1年残して退任することになった。異例の会長交代となった経団連は、政策への影響力や存在感を高められるか。後を継ぐ十倉(とくら)雅和氏(70)の手腕が問われる。

 6月1日付でのトップ交代を発表した経団連事務総長の久保田政一氏によると、中西氏から健康上の理由で退任の意向が示されたのは4月13日。抗がん剤治療の最終クールを終えた後、倦怠(けんたい)感などの重い副作用が出たのに加え、検査でリンパ腫の再々発の疑いが分かったとして、電話で連絡があったという。

 中西氏は3月のリモートでの記者会見では、リンパ腫は「寛解した」と説明。4月5日の会見でも、コロナ禍でなければ退院できると体調の回復をアピールしていたが、体調はその後、再び悪化した。関係者によると、中西氏は再々発の疑いにショックを受けており、当面は治療に専念するという。

 会長就任から3年。中西氏はうち2年近くにわたって病との闘いを強いられ、任期を全うできなかった。この日の記者会見に中西氏がリモートで姿を見せることはなく、コメントも出さなかった。

 「会長の心中を察すると言葉もない」。久保田氏は会見で言葉を詰まらせた。

 経団連の会長は、現職の副会長や、その経験者から選ぶのが慣例だ。中西氏は後任に、副会長を4年務めた住友化学の十倉会長を指名した。久保田氏を通じ、4月15日に会長就任を打診。十倉氏の受諾は5日後だった。

 中西氏と十倉氏は、経団連の活動を通じて気心を通じた間柄だ。十倉氏は記者会見で「任期の途中で退任を余儀なくされた中西会長の無念さに思いを致すと胸が詰まる思い」「非常に悩んだが、今回の要請を受けることは僕にとって義があることと判断した」と就任を決意した理由を述べた。

■中西氏、リンパ腫を再々発の…

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