捕鯨母船、資金集めは「散骨」で めざすは脱補助金

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高木真也、貞松慎二郎

拡大する写真・図版関門橋の下を通過する捕鯨母船「日新丸」=2020年5月、山口県下関市、貞松慎二郎撮影

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 捕鯨母船「日新丸」(8145トン)を運航する共同船舶は10日、後継となる母船をつくり、2024年3月の就航をめざすと発表した。建造費は約60億円と見積もり、国の補助金を使わないようにしたいという。22年春をめどに入札をして建造業者を決める。

 将来の捕獲開始を見込む大型のナガスクジラを収容するため、日新丸と同程度の規模にする。後継船の建造費は、水産庁が非公開の検討会で100億~170億円と試算していたとされる。共同船舶によると、船の出力を抑えることなどで半額程度にできるという。

 出力が比較的小さくなるため、日新丸のように南極海で定期的に操業することは難しくなる。共同船舶の所英樹社長は会見で「基本的には日本近海で操業する」と述べた。

拡大する写真・図版新しい捕鯨母船のイメージ図=共同船舶提供

 日新丸捕鯨船団を指揮したり、船内に鯨を収容して解体したりする母船で、1991年に運航を始めた。19年7月に日本が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、商業捕鯨を再開してからは、日本の排他的経済水域(EEZ)でニタリクジラやイワシクジラを捕っている。24年秋以降は毎年7億円ほどの修繕費が見込まれ、水産庁などが後継船を検討していた。

 水産庁商業捕鯨の再開後も捕鯨関連事業で年間51億円の予算を計上。南極海の資源調査のほか鯨肉のPR費用などに使う。昨年度までは商業捕鯨の操業費用も一部負担していた。共同船舶は建造費を自力で調達することで、補助金頼みの状況からの脱却をねらうが、道のりは険しい。

 19年の鯨肉生産量は2千トンで、ピークだった1962年の23万3千トンから大きく落ち込んでいる。多くの人が鯨を食べる習慣がなくなり、海外からの批判もあって政府は捕獲枠を絞る。共同船舶によると捕獲枠が増えなければコストが見合わず、後継船の就航後も赤字は避けられないという。

拡大する写真・図版捕鯨母船「日新丸」から陸揚げされた鯨肉=2020年7月、山口県下関市、貞松慎二郎撮影

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