「ひとり親に開かれた場所を」子ども食堂運営の山内さん

新型コロナウイルス

聞き手・鹿野幹男
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子ども食堂運営・山内ゆかりさん(49) つくば市

 茨城県つくば市の竹園交流センターで月2回、土曜日に子ども食堂を開いています。子どもだけでなく、退職した高齢者や外国人、新興住宅地の親子連れなど参加者は様々。多い時で70人を数えます。

 私自身は小6の娘の母です。結婚後、夫の転勤で宮城県香川県などを経て5年前からつくばで暮らしています。友達ができず、家族以外で会話するのはスーパーの店員さんだけの時期もありました。3年前、子ども食堂を始めた大きな理由は「地域とつながりたい」という思いでした。

 昨年3月、コロナ感染拡大で中止にしました。それでも、調理道具や遊具の片付けをメールで呼びかけると2組の親子が協力してくれた。小中学校が全国一斉に休校となった頃です。

 その時話したことは「この先の生活はどうなるんだろう」という不安でした。不安を分かち合い、ともに時を過ごす場所は必要だと改めて実感しました。昨年6月から感染対策を講じながら再開しています。

 コロナ禍を受け、昨夏からひとり親世帯に食料や生活物資を無料支援することも始めました。子ども食堂と異なり、LINEで対象者を募り、他の人に知られないような形で4回開催しました。別途、大学生向けにも、幅広く周知して公開で実施しています。

 私の故郷は福島県広野町。小学校と中学校が一つずつの小さなまちでした。親戚やご近所とのつきあいが濃密で、息苦しさを感じることもありましたが、生活が苦しい人がいても、親戚同士で温かく支えようという雰囲気がありました。

 物資の寄付を呼びかけると、時々、「どれぐらい生活に困っている人なの?」と尋ねられます。でも、困っている人を支えるのに明確な基準が必要でしょうか?

 コロナ禍で突然、仕事を失って生活が苦しくなるひとり親もいます。「進学を控えた子どももいる。どう生計を立てればいいのか分からない」。初対面の私の前で途方に暮れる心境を打ち明け、泣いていました。

 食料支援だけが目的ではありません。地域で頼れる友人や家族がおらず、子どもの前で泣くこともできない。孤立を深めるひとり親らに広く開かれた場所を目指したいと思います。(聞き手・鹿野幹男)

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