「共産党が守ってくれる」 香港金融界で力増す新香港人

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台北=石田耕一郎
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 香港の金融業界で、中国の存在感が急速に高まっている。香港国家安全維持法による抑圧を嫌い、香港人従業員らが流出する一方、中国人移民が「新香港人」として主導権を掌握。中国政府との距離がビジネスの成否を左右するようになっている。(台北=石田耕一郎)

 香港の金融業界で働いてきた40代の香港人男性は、昨年6月の国安法施行後に香港から台湾へ移住した。年収は多いときで100万香港ドル(1香港ドル=約14円)を超えたが、政治的な変化が生活にもたらす悪影響に不安を感じたことが原因だった。

 香港の中国系金融コンサルタント会社で、主に中国の金融機関や不動産会社、中国人富裕層の資産運用を担ってきた。香港ドルで億単位の金を預かり、欧米の著名な投資会社などと交渉して海外の不動産や債権などに投資。中国系資金の総取扱高の伸び率が年4~5割に上ったこともあった。

英語も勤務態度もいまいちだけど

 だが、2019年に民主化デモが激化すると、香港での仕事や生活に息苦しさを感じるようになった。取引先の金融機関幹部には「新香港人」と呼ばれる中国出身の中国人が増え、中国寄りの政治姿勢を示すことがビジネス成功の鍵になった。男性の中国人の上司は第三国の国籍を持つ一方、「共産党が私たちを守ってくれる」と常に訴えた。

 友人の香港人医師や弁護士ら…

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