女性選手の映像、アダルトサイトに投稿容疑 男を逮捕

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 テレビで放映された女性競技者の映像を画像として切り取り、わいせつな言葉を付けてアダルトサイトに投稿したなどとして、警視庁は、京都府精華町桜が丘3丁目の自営業小山幸祐容疑者(37)を著作権法違反(公衆送信権の侵害)容疑で逮捕し、10日発表した。

 スポーツ界は昨秋以降、性的な目的での撮影や投稿への対策を進めており、日本オリンピック委員会(JOC)が悪質な事例について同庁に相談していた。

 小山容疑者は2019年5月中旬、民放テレビ局のスポーツ番組で放映された複数の女性競技者の競技中の映像を約40の静止画として切り出し、無許可で自身が運営するアダルトサイトに投稿。不特定多数の人が閲覧できるようにし、テレビ局の著作権を侵害した疑いがある。

 小山容疑者は複数のアダルトサイトを運営し、過去10年間に広告費として約1億2千万円を得ていたといい、逮捕直後には「金目的だった。悪いことと思っていたが、逮捕されるとは考えていなかった」と供述。その後は黙秘に転じたという。

 警視庁によると、投稿された画像自体にはわいせつ性は認められなかった。ただ、複数の女性の裸の画像の近くに掲載され、「エロハプニングシーン」「放送事故」といった言葉が添えられていた。

 同庁は、画像の内容からは競技者を被害者とする名誉毀損(きそん)容疑での立件は困難と判断した。一方で悪質性の高さや東京五輪パラリンピックを控えていることなども踏まえ、テレビ局を被害者とする著作権法違反容疑で立件したという。

 競技者の画像・動画の投稿をめぐっては、JOCなどスポーツ界の7団体が昨年11月、「アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNS投稿は卑劣な行為」との抗議声明を出し、JOCの公式サイトに通報窓口を設けた。一方、東京五輪パラリンピックの大会組織委員会も今年3月、競技会場での禁止事項にこうした画像や動画の撮影を加えた。違反すれば競技場から退場させられる場合もあるという。

JOCの山下会長「抑止力を高める第一歩」

 女性アスリートの画像をwebサイトに無断掲載した男が逮捕された問題で、日本オリンピック委員会(JOC)は11日、山下泰裕会長が「逮捕につながったことは、さらに抑止力を高める第一歩として歓迎したいと思います。引き続きすべてのアスリートが安心して競技に集中できる環境を守るために関係団体と連携してまいります」とコメントを出した。

 JOCは昨年11月、日本スポーツ協会などスポーツ関連6団体とともに、選手への写真や動画による性的ハラスメントを防ぐための声明を発表。その際に特設サイトをもうけ、悪質なSNS投稿やサイトの情報提供を呼びかけていた。JOCによると、今回の件は提供された情報をもとに警視庁に相談していたという。

 アスリートへの性的ハラスメント画像問題を巡っては昨夏、日本陸連に対し女子選手から、競技中に性的な意図で撮影された写真がひわいな言葉とともにSNSに投稿されたなどの訴えがあった。JOCの調査で他競技でも同様の被害があったことから、スポーツ界で連携してこの問題に取り組むことになっていた。

 今夏に予定されている東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの大会組織委員会も今年3月、会場での禁止行為に「性的ハラスメント目的の疑いがある選手の写真や映像の撮影」を新たに追加。また、会場に入場した者の順守事項に、「主催者から撮影画像の確認を求められた際には応じること」との項目を追加していた。