ミスコンで「ミャンマーを助けて」 訴えた大学生の覚悟

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バンコク=乗京真知
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 クーデターを起こしたミャンマー国軍が市民への弾圧を続けるなか、国際的なミスコンテストにミャンマー代表として出場し、「どうかミャンマーを助けて下さい」とスピーチして世界の注目を集めた女性がいる。ミャンマー人大学生のハンレイさん(22)だ。

 公の場で国軍に抗議することに恐れはなかったのか。いまは隣国タイに退避しているハンレイさんにインタビューすると、ミャンマーへの思いがあふれ出た。

――なぜミスコンテストに出場しようと思ったのですか?

 ミャンマー市民の声を届けるためです。私が今回、初めて出たコンテスト「ミス・グランド・インターナショナル」は、あるスローガンを掲げていました。それは「STOP THE WAR AND VIOLENCE(戦争と暴力を止めよう)」というものでした。

 そのスローガンを知った私は、出場してミャンマーの窮状を伝えなければと思ったのです。出場者にはステージでパフォーマンスする機会が与えられますので、発信のチャンスだと考えました。

――スピーチの許可はもらえたのですか?

 コンテストの数日前に、主催者が電話で「ミャンマーの現状についてスピーチしていいよ」と言ってくれました。私はこの機会を逃すまいと考え、ミャンマー国軍によって多くの市民が殺害されていることをスピーチに盛り込みました。コンテスト当日の3月27日には、弾圧で100人を超える犠牲者が出ました。

――なぜスピーチをする勇気を持てたのでしょうか?

 勇気を行動に移しているのは、私だけではありません。ミャンマーでは私と同じ世代の多くの若者たちが、固い決意を持って「国軍を受け入れない」という意思表示を続けています。国軍を受け入れるということは、自分の未来をつぶすことに他なりません。

――デモに参加した大勢の若者が、国軍側によって殺害されたり拘束されたりしています。

 私もコンテストに出る直前まで、(最大都市の)ヤンゴンの街頭に出て、友達と一緒に連日抗議していました。私と同じ大学に通う学生の大半がデモに参加していました。私と同郷の友人男性が銃撃され、死亡したことは、とてもショックでした。

――どんな状況で銃撃されたのですか?

記事後半では、亡くなった友人やミャンマーに残る家族、自身の「夢」について聞いています。

 日が暮れて、デモが終わった時間帯でした。彼が喫茶店に立ち寄って、コーヒーを飲んでいた時に、何者かに撃たれたのです。屋内だったので流れ弾にあたったわけではありません。デモに参加した後だったので、つけ狙われていたのでしょう。周囲の市民に恐怖を与える狙いもあったのだと思います。

――他の友達の状況は?

 一部は街頭でデモを続けていますが、多くは国軍側に目を付けられて動きが取りづらくなっています。すでに拘束されてしまった友達もいます。

――著名人を狙った拘束や爆発も起きています。

 歌手や俳優らが次々に拘束されています。国際社会への発信力を持つ著名人の口封じが狙いだと思います。

――そんな中で国軍に抗議するのは恐ろしくないですか?

 怖いです。私はまだ22歳で…

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