米国のワクチン獲得戦略を知る 圧倒的投資で余るほど

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聞き手・合田禄
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 国内で余る新型コロナウイルスのワクチンを、他国にも幅広く提供していきます――。米国のバイデン政権が4月下旬、こんな方針を明らかにしました。米国内に十分行き渡る見通しがたったため、とのことですが、人口が3億人を超える米国が、なぜそれだけ多くの量のワクチンを確保できたのでしょうか。世界的にはまだまだ感染拡大が続くなかで、本当に余るのなら、その分をどのように生かすことができるのでしょうか。ワクチンの製造状況や製薬会社との契約について調べている米デューク大学のクリシュナ・ウダヤクマール准教授に聞きました。

――米国はなぜ、自国に必要な量を超える契約を結んでいたのですか。

 多くの契約が結ばれたのは、約1年前から昨年秋にかけてです。その頃はまだ、ワクチン開発が成功するかどうか分からない状況でした。米国は研究開発費を出し、開発できていないワクチンを先に購入するなどの投資をしました。もし、いくつかの候補が開発に成功しなくても、その中の1、2種類だけが成功すれば十分な量のワクチンを確保できるようにしたのです。

――他の国も開発段階から投資してきました。いま、十分に確保できている国とできていない国があるのはなぜですか。

 いくつか理由があると思います。一つ目は、投資の規模とスピードです。米国は(トランプ前大統領が立ち上げたワクチン開発・供給計画の)「オペレーション・ワープ・スピード」に180億ドル(約2兆円)を費やしました。一方、欧州連合(EU)はワクチンを買い上げるだけでなく、価格交渉も重視しました。米国の方が、ワクチンを確保することに積極的で、価格についても気にかけなかったのです。

 二つ目は、米国が投資した米製薬大手ファイザーと独バイオ企業ビオンテック、米バイオ企業モデルナのワクチンがたまたま最初に発売にまで至り、それらの製造拠点は主に米国内にあったということです。

 この二つの条件がそろったために、米国はワクチンをいち早く手に入れることが出来るようになったのです。

――トランプ前政権の貢献が大きいということですか。

 トランプ前政権は米国優先と…

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