山中教授、iPSで「若返り」研究 国の支援継続も要望

市野塊
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 iPS細胞の国からの支援のあり方を考える文部科学省の検討会が11日あり、京都大学iPS細胞研究所長の山中伸弥教授が2023年度以降の研究方針を明らかにした。iPS細胞の技術を応用した「若返り」研究などに注力すると説明。国際的な競争力の維持のために、引き続き国からの支援が必要だと訴えた。

 iPS細胞を中心とした再生医療に対し、国は13年~22年度の10年間で約1100億円の巨額支援を続けている。一方、23年度以降の支援は未定で、文科省で3月から検討を続けている。

 山中さんによると、23年度以降にiPS細胞をつくる技術を使い、老化現象の解明に挑む。iPS細胞は皮膚や血液の細胞に、「初期化」する遺伝子を入れて再び変化できるようにする。この技術の研究をさらに深めることで細胞の老化を抑え、「若返り」への応用をめざすという。

 山中さんは「iPSを使った治療を、ふつうの治療にする」とも話した。京都大学iPS細胞研究財団で製造、供給しているiPS細胞の高品質化、質の均一化、低コスト化なども進めるという。こうした再生医療の発展には、研究機関や企業が連携を強め、基礎研究から実用化まで切れ目のない流れをつくる必要があると指摘。「日本の総力を結集できるかにかかっている」とした。(市野塊)