東京国立博物館など休業継続に 再開発表から一転

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 緊急事態宣言で休館している東京国立博物館国立科学博物館東京国立近代美術館国立新美術館、国立映画アーカイブの東京都内5施設について、文化庁は11日、「都の要請に基づき、12日以降、休業を継続することとした」と発表した。

 都は新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づき、都内の美術館や博物館に休業を要請している。しかし、文化庁は10日、感染対策を徹底した上で再開するよう、東京国立博物館など5施設の関係先に通知。5施設は、宣言が延長される12日以降に再開館することを各ホームページやSNSで発表していた。

 ただ、都は10日夜、国立文化施設について12日以降も休業を続けるよう文化庁に文書で要請したと明らかにした。都は休業要請について「政府の基本的対処方針に基づき、都内の状況を踏まえて内閣官房と協議の上、決定した」と主張。「法の趣旨を踏まえ休業を継続するよう改めて強く要請する」としていた。

 文化庁によると、小池百合子知事から都倉俊一文化庁長官宛ての要請文書は10日午後10時過ぎに届き、応じることにしたという。

 小池知事は11日昼、記者団に「国の法律に基づいてやっている(休業を要請している)ことなので、ご協力をお願いしたい」と述べた。都の担当者は「国も行政機関なので、守っていただくのが当然だと思う。国立施設が開館してしまったら、民間で追従するところも出るだろうから困る」と懸念していた。

 一方、都は宣言延長に伴い、劇場やイベント開催などは「無観客」から、収容率50%かつ上限5千人で午後9時までの要請に緩和したため、対応が分かれた美術館や博物館の関係者からは、不満の声が上がっている。文化庁の担当者も、都に劇場などと美術館や映画館の違いを問い合わせたものの「合理的な理由は示されていない。説明をきちんとしてほしい」と話している。

 都倉長官は11日、「文化芸術活動に関わるすべての皆様へ」と題したメッセージを文化庁ホームページで発表した。「感染拡大のリスクをできる限り抑えながら、文化芸術活動を続けていくことは、不可能なことでは決してありません。文化芸術活動の休止を求めることは、あらゆる手段を尽くした上での最終的な手段であるべきと考えます」などとつづる。

 さらに、都の要請に応じたものの、「皆様におかれては、これからも文化芸術に関する活動を、可能な限りご継続ください」「感染症対策が適切に講じられている公演や展示において、来場者間で感染が広がった事例は報告されていません」などと記した。