入管法改正案に研究者ら124人が反対声明「再検討を」

藤崎麻里
[PR]

 今国会で審議中の出入国管理法改正案について、国際法を専門とする研究者などの有志124人が11日、「人権への配慮ない入管の在り方を悪化させる」とする反対声明を出した。改正案は外国人の収容や送還のルールを見直すものだが、国連の人権専門家らから「国際的な人権水準に達していない」と指摘されている。声明はこれを無視した形での改正を危惧し、「廃案の可能性も含め、抜本的な再検討」を求めている。

 改正案では、難民に準じた在留を認める「補完的保護」や、一定の条件下で収容施設外での生活を認める「監理措置」といった新たな仕組みを設ける。一方、3回目の難民申請以降は「難民認定の手続き中は送還しない」という現行規定の適用外とする内容も含まれ、強制送還の恐れが高まる危険が指摘されている。

 国連の人権専門家や難民高等弁務官事務所は3月末、改正案について「国際的な人権水準に達していない」と指摘する共同書簡を日本政府に出した。上川陽子法相はこれに対し、4月の会見で「一方的に見解を公表されたことについて抗議をせざるを得ない」と不満を示しつつ「十分に理解していただけるよう丁寧に説明を尽くす」と語った。だが改正案は見直されず、審議中の衆院法務委員会で強行採決の可能性が高まっている。

 声明文は「日本は国際人権基準を守ることを誓約し、人権理事会理事国に立候補し、当選している。2016年には『国連の作業部会の意見に各国が十分な考慮を払うべきだ』とする決議の共同提案国にもなっている。日本が国連加盟国に求めたその姿勢は、自国の問題が指摘されたときにも求められるはずだ」と指摘している。

 有志を代表し、11日に都内で記者会見した中央大学法科大学院の北村泰三教授は、国際社会との「建設的な対話」が必要だと強調。「まずは(申請全体の)1%に満たない難民認定の方法や、運用の改善の議論が必要だ」と訴えた。

 青山学院大学の新倉修名誉教授は会見後の取材に、改正案が見直されない状況について「日本は人権を守るといいながら守っていない。まるで独裁国家のようで国際社会でもがっかりされている」と懸念を示した。

 恵泉女学園大学の上村英明教授も「本来は国内が民主化していれば、(国連の勧告を受けたあとの)建設的な対話があるもの。日本の民主化が問われている」と指摘した。藤崎麻里