アートの居場所ある住まいを 「世界に一つの空間」提案

田中ゑれ奈
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 住まいと現代アート作品をセットで提案するプロジェクト「ART in HOUSE」を企画するハウスメーカー社員・村井暁(さとる)さん(42)。大阪市のギャラリーノマルと組んで昨年末、モデルハウスを1軒丸ごと使ったアートフェアを開催した。家とアート、二つの需要の相乗効果にビジネスチャンスを探る。

 アートフェアの舞台は堺市の住宅展示場。玄関ではまず、小谷くるみの大きな絵画に迎えられる。階段下の空間には今村源の針金のオブジェ。浴室前には、白を基調とした田中朝子の写真作品。キッチンにも寝室にも、至る所に空間にあわせた作品が置かれ、さりげない存在感を放っている。

 設計畑出身の1級建築士で、今は積水ハウスの営業担当。美術には明るくなかったが、知人のアートコレクターのアドバイスで勉強を始めた。ECサイトやSNSの盛り上がりを背景に、一部の超富裕層や投資家だけでなく、自身と同世代の30~40代の間でも現代アート収集が身近になりつつあると知った。

 コロナ禍で住まいの快適さを重視する人が増えた。好きな家具や食器を選ぶように、思い入れのある作品で彩った家は「世界に一つの空間になる」。設計段階から作品を置くことを想定して壁の広さや照明の位置を決めるなど「アートの居場所となる余白をつくり、住む人の色に染めるのも面白い」と感じる。

 今、自宅を建築中。完成したら、とっておきのアートのある生活を始めるつもりだ。(田中ゑれ奈)