「うまいだけじゃなく、強い」 若隆景が連日の大関撃破

松本龍三郎
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 (11日、大相撲夏場所3日目)

 若隆景と朝乃山の相撲は、攻防のある1分近い熱戦になった。もし観客が入っていれば、この日一番大きな拍手が送られていただろう。

 「考えていたのではなく、体が反応した」と若隆景は立ち合いで左へ動いた。そこから両差しを果たして前進する。対する朝乃山は俵を背にしてこらえ、右を差して反撃に出た。

 若隆景が「我慢できたのが良かった」と振り返った場面が、勝負のポイントだったかもしれない。朝乃山に寄り立てられながら、左上手は与えずなんとか残す。体勢を立て直して頭を付けると、出し投げで揺さぶって引いた相手を寄り倒した。

 身上とするしぶといおっつけで破った前日の正代戦に続く、連日の殊勲の星。土俵下で見届けた藤島審判長(元大関武双山)を「うまいだけじゃなくて力強い」とうならせた。

 西前頭2枚目だった春場所でも貴景勝、正代の2大関を破っている。10勝を挙げ、おっつけの技術が評価されて初の三賞・技能賞を獲得。関脇・小結が全員勝ち越したため、今場所は自己最高位の前頭筆頭どまりだが、着実に三役にふさわしい力をつけつつある。

 「自分の形になればある程度相撲を取れる」。上位陣相手にも自信をのぞかせる、充実一途の26歳。4日目から観客の熱気が戻る国技館を、ここから何度も沸かせそうな予感がする。(松本龍三郎)