バイデン大統領、駐日米国大使にオバマ氏元側近を指名へ

ワシントン=園田耕司
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 英紙フィナンシャル・タイムズは11日、複数の関係者の話として、バイデン米大統領がオバマ政権で大統領首席補佐官を務めたラーム・エマニュエル前シカゴ市長(61)を駐日米国大使として指名する方針を固めたと報じた。

 エマニュエル氏は民主党の下院議員を経て、2009年に発足したオバマ政権の大統領首席補佐官に就任。同じシカゴを地盤とするオバマ元大統領とは個人的に親しい最側近として、政権の司令塔の役割を果たした。シカゴ市長選出馬のために10年に辞任し、19年までシカゴ市長を2期務めた。オバマ政権で副大統領を務めたバイデン氏とも関係は近く、バイデン政権発足当初から駐日大使や駐中国大使としての起用が取りざたされてきた。

 バイデン氏は「競争国」として位置づける中国と対抗するうえで、日本との同盟関係を最重視。4月中旬、菅義偉首相をホワイトハウスに招き、外国政府指導者として初めて対面で会談した。気脈を通じるエマニュエル氏を駐日大使に起用することで、日米同盟の対中戦略を強化する狙いがあるとみられる。エマニュエル氏は月内にも指名される見通しで、上院の承認を経て就任する。

 日本政府内では、エマニュエル氏がバイデン氏と直接コミュニケーションをとれる太いパイプをもつことから、駐日大使指名を歓迎する見方が強い。ただ、オバマ政権時代に歯にきぬ着せぬ攻撃的な言動から「ランボー」とあだ名された人物でもあり、日本政府関係者の間に懸念もある。

 駐日大使には大物政治家や著名人が就任するケースが多く、先月亡くなったクリントン政権で駐日大使を務めたモンデール氏は元副大統領。ブッシュ(子)政権ではベーカー元大統領首席補佐官、オバマ政権ではケネディ元大統領の長女キャロライン・ケネディ氏が務めた。駐日大使のポストは、トランプ政権で投資会社創設者ハガティ氏が上院選出馬のため19年に退任して以降、空席となっていた。(ワシントン=園田耕司